月: 2017年10月

台風21号による被害と修復

台風21号は、ここ5,6年のうちで最も近畿地方に強風による被害をもたらしたのではないかと思えるものでした。
大学内でも倒木や看板の落下、大学周辺でも信号機の向きがずれたり、建物の外壁が剥がれたりしていました。

また、アマチュア無線界隈でもアンテナ被害が甚大であったようです。
当クラブ(YKC)でも、タワーに載せていたアンテナがローテーターの上で180度回転してしまうという事態が起きました。

YKC のタワーで使用しているアンテナは、クリエートの 714XXW というアンテナですが、この大きくて重いアンテナが、どうやらローテーターの上で反時計回りに180度回ってしまったようなのでした。

なぜ、180度ピッタリなのかが謎でしたし、また次の台風が迫っていますので早速夜間作業にて修復をしてきました。

手順としては、タワーに登ってローテーターのマストクランプを緩め、手でアンテナを回し、またマストクランプを締め付けるといういたって単純なものです。

作業の際に気づいたのですが、マストクランプの6本のボルトは緩んでいるような感覚はありませんでしたし、ボルトを緩めない状態では手でアンテナも回りませんでした。
ただ、上記写真の赤丸で囲った、ローテーター(RC5B-3)のアウトプットフランジとマストクランプを固定する4本のボルトが、どれも手で回る程度に緩んでいました。どうやら最初の設置時に本締めを忘れていたようです。

さらに、青丸部分、本来皿ネジがあった場所ですが片側だけ頭が飛んでしまっています。

ちなみに、新品時にはアウトプットフランジは上記のようになっています。

ここで仮説なのですが、アウトプットフランジとマストクランプの締結が緩かったために、風に吹かれた際にマストベアリングを支点としてマストクランプが振られると考えられます。
この時に、アウトプットフランジ上にプレートを止めている皿ネジの頭が飛んでしまったのでしょう。

そして、なぜきっちり180度回ってしまったのでしょうか?

  1. たまたま、マストクランプの中をマストが少しずつ回転して180度になった
  2. 締結の緩くなったマストクランプがアウトプットフランジの上でジャンプするように動いて180度回ったところで着地した

2の説は、構造的にも無理があるような気がしますが、果たして・・・

アウトプットフランジ上のプレートの皿ネジは片方飛んだままですが、それ以外のボルトは締め直して、台風で回ってしまったアンテナの修復作業としては完了しました。
改めて、大きなアンテナにとって強風というのは怖いものです。今後も定期的にボルトの緩みは点検しようと思います。

では。

de JE6HIB